子供からお年寄りまで、手軽な移動手段として利用される自転車ですが、自動車やバイクと同様に罰則制度があるのをご存知でしょうか?
自転車による事故が増えてきた事から道路交通法が改正され、14歳以上の運転者を対象に、違反を繰り返す運転者には講習受講の義務が、さらに悪質な運転者には赤切符が交付されるなど、厳しい処罰が設けられています。
これにより、警察官による自転車を対象にした取り締まりも各地で行われる様になりました。
自転車を運転される貴方・・最後までしっかり読んで下さいね。
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危険な乗り物だと認識しよう
老若男女問わず、一切の資格無しに運転出来る自転車ですが、ひとつ間違えば重大な事故につながる危険があります。
もし、貴方が自転車で走行中に転倒すれば、歩行中に転倒した時の何倍、いや何十倍もの痛みや怪我を負う事になります。
走行中に歩行者に接触すれば、想像以上に重い怪我を負わせる事になります。現実に、相手の命を奪う重大な事故も発生しています。
自動車と比較して、とかく弱者的なイメージでとらえがちな自転車ですが、それは大きな間違いです。まさに走る凶器、大変危険な乗り物なのです。
最低限のルール
自転車に乗るのに何の免許もいらないのは事実ですが、免許がいらないからといって何をしてもいいという訳ではありません。
冒頭でも述べた通り、今では車やバイクと同様に厳しく取り締まられる事になっています。
では、自転車に乗る場合、どんなルールに従えばいいかご存知ですか?
これだけは守るべきという最低限のルールがこちらです。
- 信号を守る
- 自転車の通行が禁止されたところは通行しない
- 警告音が鳴っている踏切に立ち入らない
- 一旦停止が義務づけられた場所では必ず一時停止する
- 歩道を通行する際は歩行者を優先させる
- ブレーキ不良の自転車は運転しない
- 酒酔い運転をしない
- 歩行者用道路を通行する時は徐行する
- 車道や自転車専用道など指定された道を通行する
- 路側帯通行時は歩行者の通行を妨害しない
- 交差点では幅の広い道を走行する車両を優先させる
- 交差点では車両や歩行者に注意し安全に走行する
- 環状交差点では優先車の通行を妨げない
- 傘をさしながら運転しない(片手ハンドルの禁止)
- スマホや携帯電話を操作しながら運転しない
- 左側を通行する
- 2人乗りをしない
沢山ある様ですが、どれも安全第一に考えれば当然の事ばかりです。
ご自身の安全はもちろん、周りの安全の為にもルールはきちんと守りましょう。
自転車運転者講習
先程述べたルールに違反して検挙されたり、危険運転による事故などを、3年以内に2回繰り返した場合、自転車運転者講習を受けなければなりません。
受講命令に従わない場合、別途5万円以下の罰金が科せられます。
尚、講習時間は3時間、手数料5700円が必要です。
悪質とみなされると赤切符
何処から見ても、誰から見ても危険と見なされる違反をした場合や、警察官の制止命令を振り切って逃げるなど、極めて悪質とみなされると【告知票・免許証保管証】と書かれた書類(赤切符)が交付されます。
赤切符が交付された場合、後日、出頭命令が届きます。定められた日時に定められた場所に出頭し取り調べを受けます。
取り調べた内容を検察官が判断し、起訴猶予処分になればその時点で終了ですが、略式起訴される事になれば、ほとんどの場合は罰金刑に処されます。
罰金刑になると、定められた罰金を納める事になりますが、罰金を払えば全て終わりという訳ではないのです。
一生つきまとう前科
罰金刑に処された時点で(前科)がつきます。
前科がつくと、警察・公安・治安にかかわる公務員・検事・裁判官にはなれません。これは、本人だけでなく、兄弟姉妹や子供など家族にも及びます。
将来、自身のご子息が就きたい職業に就けないなどという不幸に見舞われない為にも、前科のつく様な行為をしてはなりません。
また、通常、就職には差し支えありませんが、就職前に提出する書類(履歴書など)に賞罰の記載欄がある場合は正直に記載する必要があります。前科を隠して入社した場合、後日懲戒処分になる可能性があります。
取り締まりの現状
全国で取り締まりが本格化しているものの、まだ、地域によってかなりの差がある様です。
警察庁などによると、2017年上半期の都道府県別の赤切符の交付数は
- 兵庫県(1991件)
- 大阪府(1603件)
- 東京都 (914件)
- 愛知県 (522件)
以下、埼玉県、神奈川県、京都府、福岡県と続き、新潟県や広島県など12の県では交付件数が1~10件にとどまり、青森県や三重県、沖縄県など22の県では交付が0件となっています。
1位の兵庫県では、尼崎市が(1362件)西宮市が(508件)となっており、両市だけで大半を占めています。この数字からは、両市に悪質な違反者が多い様に見えますが、同じ様な違反でも両市は赤切符を交付し、県外では罰則規定のない自転車指導警告書(イエローカード)にとどめるケースがある様です。
まだまだ自転車の取り締まりは本格化したばかり。
尼崎市や西宮市の数字は、両市がいちはやく本腰を入れて対策している事の結果と見るべきでしょう。
両市の取り組みで自転車による事故が減れば全国に広がっていくものと思われます。
まとめ
バイクや自動車の免許を取得された方なら、少なくとも一度は交通法規について学んでいますので、ある程度常識的な交通ルールを理解し順守されていますが、まだ一度も交通法規を学んでいない方は、自転車が左側通行だという事すらご存知ない方もいらっしゃる様です。
自転車といえどもルールを無視した危険な運転をすれば、とても重い処罰に処される可能性があるのです。
その事を心の底から認識して、どうぞ今日から、いえ、今この瞬間から安全運転を心掛けて下さい。
また、自転車運転者に限らず、自動車やバイクの運転者、一人一人がルールを守り周りに対する思いやりを持つ事で事故は防げます。
今日、これから自転車に乗る貴方、自動車を運転する貴方、バイクに乗る貴方、どうか安全運転をお願いいたします。
日々の平凡な暮らしが、実は最高の幸せなのです。
この幸せを失う事のない様に・・・
それではまた~(=^・^=)